Guitar Life〜徒然なるままに〜

ギタリスト〜HITOSHI(三村 均:LORAN)の日記

2009年05月11日

涙で歩いた吉祥寺駅前の道

H21・4・5渋谷ラママ-34.jpgよっ!(^-^)v

5月2日にやったGriftersのライブ。
場所は吉祥寺プラネットK。

“ライブ終了報告”にも書いたが、あの日、サウンドチェック後の空き時間にブラリと街中を散歩した。

今日は久し振りに、今だから話せる“思い出ボロボロ”シリーズ。

…きっと長くなる。

お茶でもすすりながら、ゆっくりと読んで下され。

ちょうど20年位前の話。

厄年だった。

前にも書いたが、まずは火事の話から始める。

その年、自分の煙草の火の不始末でアパートを全焼させてしまった私。

現場検証に立ち会い、火元となった自分の部屋の畳の上に残された灰皿を指差し、自分が火元である事と、燃え残ったその周りを科学的に(?)説明する消防士&警察官の話を聞きながら、さすがに呆然とした。
人生終わったかも…って。

昼間だったのと、近所の人の働きのお陰で、死傷者や周辺への延焼がなかったのが、不幸中の幸いだった。

所属事務所が決まる前までバイトしていた、そのアパートの裏にあったガソリンスタンドの社長さんなんて、アパートの隣りの家の二階によじ登り、必死で延焼を防いでくれた一人だった。

ありがとうございましたm(_ _)m

レコーディングを二か月後にひかえ、持っていたギターもそうだし、とにかく、その時着ていた服以外のほぼ全てを焼失した。(その日はスタジオへ手ぶらで行っていた)
全焼だから、当然そのアパートに住んでいた他の人達の家財道具も、燃えた。

何らかの原因で机の上から灰皿が落ちて〜という事に落ち着いたが…そんなのに気付いてたら、火事なんかにゃならなかったし、大体自分が部屋にいて灰皿が落ちたのに気付かないわけがない。

というわけで、誰もそれを見てはいないが、結局飼っていた猫が怪しいという事になった。
夏だったし、二階だったから部屋の窓は開け放しで、いつでも猫が自由に出入り出来るようにしていたのだ。

窓際に机を置いていて、その机の上に灰皿があった。
机の横の窓が猫の出入り口だったから、どうかした拍子に当たってしまい、消えきっていなかった煙草の火が畳に燃え移ったのだろうと…。

この猫は、今でも飼っている“クロニャン”だよ。
俺がガソリンスタンドでバイトしていた頃からだから、もう二十二年生きている。
獣医さんに連れて行くと、どの先生もビックリして褒めてくれる。
最近耳が遠くなったし、食事も減ったし、とにかくずっと寝ているが、まだ目の光がしっかりしているから、大丈夫だろう。
この子は俺の人生の半分を知っている。

さて、火事からの数日間。

警察での取り調べや、消防署への届出やら、アパートの住民への謝罪と補償やら、大家さん一族への謝罪と補償交渉やら、LORANのライブ(確かジャック大宮だった)やら…ちゃんと寝た記憶がないくらい繁雑な日が続いた…が、YASSが言うには(とりあえずYASSのところに身を寄せていた)大鼾かいて寝とったそうなd(-_-;)

うん、ボロクソに疲れていたんだろう。

で、クロの事はずっと気になっていたが、とても探しに行く事など出来ず、一段落した後日の真夜中に(昼間は近隣の人目もあったし)火事現場へ行ってみた。

すると、焼け跡の俺の部屋の押し入れあたりから、弱くて小さい猫の鳴き声が…。

真っ暗闇の中、『クロか〜!?』って押し殺した声で呼ぶと、『ニャ〜!』と一際大きく一鳴きして、クロがヒョコヒョコと出て来おった。

もう、涙がドッと出てね…。

家に連れ帰って、食べ物と飲み物与えたら、そりゃもうガツガツ食った。
で、腹一杯になったら、すぐに寝コケおった。
クロもボロクソに疲れておったらしい。

ついでに、今だから言えるその他の事も書いておこう。

その頃、NAOさんは事務所に内緒で、バイトをしていた。
女性の生理用品を店に納める“運び屋”のような仕事。

ある時その生理用品が段ボール一箱分余ったかどうかして、とりあえず彼女のいた俺にくれたのだが…。
悪い事にその段ボール箱、窓際に置いてて、火事の時真っ先に消防士さんに放り出され、焼けずに一箱綺麗なまま残ってしまった…警察での調書や消防署への届出書類に、無事だった物を書くところがあるんだけど…これがキマリ悪くてな〜、『何でこんなものが、こんなにあるんだ!?』って…一々説明するようだし、恥かしいしで…(苦笑)。

あ、焼け残った物と言えば…この火事の第一発見者で、HITOSHI BANDのベーシストでもある“ハシバ”。
俺の隣りの部屋で暮らしていた彼の部屋は、どういうわけか押し入れの部分だけ焼けずに残った。で、その押し入れの中は、エロビデオの山…(すまん、ハシバ、話を面白くする為とはいえ、“山”ってのは、ちょっと誇張かも…笑)。
いや、しかし、これも結構キマリ悪うございましたな〜。

…まぁ、全部俺が悪いんじゃけど…すまんm(_ _)m

さて、まだある。

火事から数日後の昼間。
小学一年生の頃からの友人で、LORANのツアーでもローディーとして一緒に旅をした事がある、吉村が何も知らずうちを訪ねて来た。

“全焼”って言ったが、建物の玄関部分は、舞台装置のように、そこだけ焼けずに残っていた。

正面から見れば、いつも通りの引き戸の玄関。
横から見れば“板一枚”みたいな…。

何も知らず『ウイ〜スッ!』とドアを開けた吉村が見た物は…黒焦げに焼け崩れた木材&瓦礫と、晴れ渡る青空だった…。

彼曰く、ヴァン・ヘイレンの『暗闇の爆撃』以来の衝撃だったと…d(-_-;)

で、最後にもう一つ。

警察署で取り調べ中に執拗に問われた事だが、火事の時俺の部屋で、なんども軽い爆発のようなものが起きたらしい。
以前このアパートの隣りのアパートには、過激派(?)なる活動家が住んでいたことがあったそうで、『お前…何か怪しげな爆発物でも作っていたのでは?』と疑われたのだ。

でもね、何の事はない。
猫の蚤を退治する為の殺虫剤がワンサカあって、それが破裂していたのだ。

その後の調べで、その件は解決した。

さて、話しを進めて、もう一つの事件〜“涙で歩いた吉祥寺駅前の道”について話そう。

全焼したアパートには、自分を含めて5人の住人がいた。
全員無事だったのが、本当に良かった。

で、その日…。
焼け出してしまったAさんが身を寄せていた吉祥寺へ行き、直接会って謝罪する事になっていた。

責任問題の話しが親の方へ行かないよう、表向きは親と縁を切っているという事にして、自分のところで食い止めるべく、その人が新しく住居を借りるのに必要であろう敷金&礼金&家賃+謝罪分の金を持って向かった。

無一文だった俺は、近所の人が集めて下さった“火事見舞い”と、親に借りた金からそれをひねり出した。

井の頭線。

改札くぐって駅前に出た時、お金を入れてた封筒が無い事に気付いた…。

切符を買う時まではあったんだから…電車内に落としたか…スラれたかだ。

ホンマ…ショックというか…信じられんし、途方にくれた…。

今なら冷静に“落とした”とも考えられるが、その時はとてもそうは思えなかった。

“スリ”

道行く人が皆怪しく見えた。

気が変になる位、腹が立って、悔しくて、憎くて『…どおして…何でボロボロな今の俺から金をとるんやっ!』って。
一瞬“通り魔”ってのは、こういう精神状態がブチッと切れて…って思ったりもした。

信じてもらうのは難しかったけど、約束していたAさんにこの事を言って、お金を少し待ってもらうように何度も頭を下げて頼んだ。
嘘をついてるわけじゃないんだが、お金を払わないわけだから…当然、色々と言われた…落ち度はこっちにある…仕方がない…ひたすら辛抱して謝った。

後日必ず払うという事で、なんとかその場をおさめ、電車賃もないのに駅の方へ向かって歩いた。

もう、ボロクソだ。
自然と涙がボロボロ出て来た。
泣き声なんか出ない。
とにかくボロボロと涙が出た。
それを拭う事もせず、ゆっくりと吉祥寺駅前を歩いた。

『酷いめにあったな〜、ひとし…ホンマ酷いわ…でも、街はいつも通りか〜…酷いわ…でも、何もなかったように人も街も普通に…幸せそうで…世の中…残酷じゃの…』と、ぼんやり周りを見ながら、もう一人の自分がブツブツと同じような事を何度も言ってたように覚えてる。
かなりヤバい精神状態だったと思う。
どうやって帰ったか…どうしても思い出せない。誰かが迎えに来てくれたような気もするし、線路わきを歩いて帰ったような気もするし…。



5月2日プラネットKの日は、あらためてその時の事を思い出し、色々と考えさせられた一日だった…そして、帰りにキョーシローさんが…ね。

うん、もうその話はよして、こいつを締めるとしよう。


色んな人が自分を助けてくれた。

中でもLORANと広島の両親は、心の支えだったし、大きな力をくれた。

火事の後、最初に広島へ連絡した時の事は、生涯心に残り、俺の背中を押してくれるものだ。

電話に出たお母さんが真っ先に

『あんた、身体は大丈夫なん?指とか怪我してない?あ…そう、うん、なら大丈夫!今から頑張りゃ〜ええんよ!しっかりしんさい!』
って。

彼女は、一っ言も説教じみた事を口にしなかった。

これは、効いた。

上手く言えんが、孤立感に押し潰されそうになっていた心の中に“絶対の味方”を感じる事が出来て物凄く強くなれた。

ちょっと感じは変わるけど、LORANでガ〜って音出している時も、似たようなものを感じられて、全てが吹っ飛ぶ事があった。

『それがどうした!?何だって跳返してやるわ!』ってね。

う〜ん、ありがたい事だ。

…それにしても、自分は迷惑と心配ばかりかける、しょーもない男だ。
わざとやっとるわけじゃないんだが…。

迷惑をかけた(かけてる?)皆さん、すみませんでした。
m(_ _)m

で、これからも…よろしくお願いします。
d(-_-;)

ハァ〜、しっかりせんとなっ!

長くなった〜、すまん!お終いだ。

ほいじゃ〜のっ!
(^-^)/~
♪HITOSHI♪
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